特許をとることの意義

特許をとることの意義ってなんでしょう?

真っ先に浮かぶのは、販売を独占し、お金もうけをすること(事業化)だと思います。やはり、先行投資で(お金をかけて)製品開発し、特許をとるのだから、それを事業化して資金回収しなければ特許をとる意味がない、と考えるのは普通です。

かの有名なエジソンも、同じようなことをいっています。
でも、社会が多様化したいま…それだけにとどめておくのはもったいない!

そこで、特許をとることの意義について、事業化以外にも…なにかあるか、考えてみました。

①やる気創出
事業者ではないけど、そこで働いている技術者や研究者は、発明することが一つの仕事になっています。これら数多くの技術者や発明者に接して分かったことは、資金回収とか、お金(給与アップ)とか、を意識しているひとは少ない…ということ。

どちらかというと、そういうのよりも、じぶんのした発明が特許になった…とか、特許になって製品化された…とか、といったことにやり甲斐を感じ、さらに発明しようとする意欲(やる気)を感じているひとがほとんどと実感しています。

つまり、特許をとることには、発明することについて、あなたにやる気を与える意義がある、と考えます。

②名誉獲得
うえのやる気創出に近いものですが、特許をとると、その特許の発明者がじぶんであることが永久にあなたの名誉として残ります。この名誉を求めて、特許をとるひともいるのではないでしょうか。

例えば、大学の教授や国や企業のすごい研究者などは、じぶんのした研究結果を学会などで論文として真っ先に公表することに意義を感じていることも多いと思います。でも、それ以外の一般のひとは、じぶんのした発明を公表する手段がありません。特許は、これを補うものと考えることもできます。

つまり、特許をとることは、一般のひとでも、この世のなかで最初にした発明であること…を公表し、じぶんの名誉とすることができる、という意義がある、と考えます。

③社会貢献
特許には、そもそも、あなたに独占権を与える代わりに、あなたの発明を社会に公表し、その発明の利用促進、そして、技術の累積進歩を図る、という意義があります。

一方で、私が接してきた数多くの発明者について、特許をとることを社会貢献のため…としているひとは、ほとんどいませんでした。でも、あなたの発明が特許になれば、その特許をみて、これを製品化してみよう…とか、これを改良して、新たな発明をしよう…とか、思うひとが少なからず…います。

このように、特許をとれば、それが社会貢献に寄与しているんだ…といういことに意義を感じ、発明をする、ということも良いと考えます。

④趣味
これ! いままでになかった考えだと思います。発明すること…については、好奇心や考えることにより脳が活性化されることから、これを趣味とするひとも多く、むかしより、発明サークルとか、アイデア倶楽部とか、といったものが存在していました。

しかし、これらは、いずれも特許をとることを主目的としておりません。
すなわち、特許をとるには、発明することとは別に、専門的な知識やお金が必要なので、これらのサークル等では、特許は二の次…というのが普通でした。

でも、特許をとるための知識…って、実は、発明をすることにフィードバックされるもので、この知識を習得しておくことで、発明することが容易化され、かつ楽しくなるんです! これ…あまり知られていないお宝情報です。

すなわち、特許をとることの新たな意義として、発明をする…という趣味を充実させる、又は発明をすることに加え、特許をとるための知識もとりいれて、全体として生涯学習としての趣味に拡張させる、といったようなこと、も考えられるのではないでしょうか?