特許取得に関しては、
➀特許申請をするひと
②特許判断をするひと
➂①と②の間をとりもつひと
がそれぞれいます。
➀は、個人、大学、企業など…
②は、特許庁、裁判所など…
➂は、弁理士事務所(特許事務所)など…
です。
弁理士事務所は、主として弁理士から構成されますが…サービス充実のため、弁理士を補助するひと、すなわち、特許技術者(事務所職員)を雇用し、その者に特許申請業務の一部、特に、特許明細書の作成業務を補助してもらうのが一般的です。
え~、特許明細書って…弁理士が書くものじゃないの?
そのとおりですが…特許申請って、弁理士が得意とする法律的知識に加え、発明独自の技術的知識が必要になるんです。もちろん、法律にも、技術にも長けた弁理士がいないわけではありませんが、そのようなひとでも、すべての技術をマスターすることは不可能です。
そこで、技術について、専門的又は幅広い知識をもった特許技術者の補助が必要になるんです。
ぶっちゃけ…特に大手の弁理士事務所では、特許技術者は非常に重宝されており、弁理士と同等又はそれ以上に、法律と技術の知識に長けた特許技術者も存在するくらいで、そのようなひとは、その事務所内で重要な役職についていたり、場合によっては、関連会社の経営者に抜てきされたりもするくらいなんです。
まとめると、特許技術者でも…弁理士と同等又はそれ以上に特許実務に精通しているひとがいるんです。
でも、ひとつ問題が…
特許技術者は、特許実務を完璧にマスターしたとしても、じぶんで独立して事業をすることができないんです。これは法律で、特許申請代理は、弁理士の専権業務と規定されているからです。
従って、いくら優秀な特許技術者であっても、その能力は、そのひとが勤務する特許事務所内でしか発揮できない…これが実情です。
このようなことから、特許の世界では、特許技術者は、あまり表舞台にでることはないんです。
私ごとですが…わたしも35年間…特許技術者として弁理士事務所で働いてきて、実は、そのまま、その勤務している弁理士事務所に骨を埋めようと考えていました。でも、ある環境変化がきっかけで、それができなくなっちゃた。
また、上記のように、特許技術者は、いくら優秀であっても、独立して事業をすることはできない…では、どうする?
弁理士の資格をとる…しかないか。
通常、弁理士の資格をとってから特許実務の勉強をする、又は特許実務を学びながら弁理士の資格をとる、といったひとがほとんどのなか…特許実務をマスターした後に弁理士資格をとるはめになってしまいました!
たぶん、このような異色の経歴をもつひとは、全くいないか、又はいても数人だと思います。
わたしは、特許技術者であるとき、まわりから明細書作成機械と呼ばれたりしていました! 朝から晩まで、年がら年中、特許明細書を書いていました。この経験を何らかのかたちで活かしたい…そして、特許技術者という仕事があることをみんなに知ってもらいたい、と思い、知って得する情報として記載しました。